サイバース歴史資料館

数あるサイバース族モンスターを、独断と偏見を交えつつ品評(紹介)していくブログです。(更新不定期)

サイバース品評会-勝利への戦略(コード)編-

本日もご来館ありがとうございます。
サイバース歴史資料館、館長のハンメルです。

 

おかげさまで早くも…かどうかは分かりませんが、第2回のサイバース品評会を開催できる運びとなりました。
相変わらず独断と偏見だらけかもしれませんが、お楽しみいただければ幸いです。

 

なお余談ですが、今回は内容が内容だけに、前回より幾分か記事が長くなってしまい、前後編も視野に入れていましたが、中途半端になりそうだったのでそのまま全部掲載しています。
その点だけあらかじめご了承ください…()

 

それではさっそく、行ってみましょう!

 

 

サイバース品評会-勝利への戦略(コード)編-

 前回予告しました通り、今回は第10期最初のレギュラーパックである「CODE OF THE DUELIST」に登場したサイバース族モンスター+αの紹介となります。
登場するほとんどのカードがアニメ産のカードという特徴がありますので全体的なパワーは控えめな印象です…とある例外を除いては。

・サイバース・ウィザード

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初登場:CODE OF THE DUELIST(2017/4/15)

藤木遊作/Playmakerの主力モンスターの1体で、相手の攻撃表示モンスター1体を守備表示にしつつ自分のサイバース族全員に貫通能力を付与できます。
攻撃時にはちゃんと杖を使ってくれます。

自身以外にも貫通能力が付与されるのは一見すごく魅力的ですが、如何せん「対象のモンスターしか攻撃できない」 というあまりに厳しいデメリットが実に勿体ないと言わざるを得ません…。
戦闘破壊されないモンスターが相手ならともかく、通常は対象のモンスターを戦闘破壊してターンエンド…というパターンがほとんどでしょう。
さらに、貫通能力を得るためには対象のモンスターを守備表示にしなければならない、という点も、当時絶賛売り出し中のリンクモンスターには無力だったのも余計に向かい風になっていました(今ならそこまでリンクモンスターを見かけなくなったため『多少は』使いやすくなったかもしれませんが)。
加えて、このカード自身も展開手段がそこまで多いわけではなく、召喚権争いに加わろうにもライバルたちが強すぎることもあり、あまり使用されないという可哀そうなことに…。

 

このカードがある程度の輝きを取り戻すのは、ここから1年8ヵ月も先のことだった…。

 

 

・バックアップ・セクレタリー

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初登場:同上

藤木遊作/Playmakerのデッキのアイドル枠、みんな大好きセクレタリーちゃんです!

 

シンプルに便利な自己特殊召喚効果を持っており、その条件は「リンクスレイヤー」とは反対に「自分フィールドにサイバース族モンスターが存在する場合」と緩く、召喚権を消費することなくリンク素材を調達できるという、名前の通り秘書の如く戦況を強力に支援してくれます。

リンク素材以外にも、レベル・ランク3モンスターを主軸にする「転生炎獣」デッキとの相性が良く、また、「サイバース・シンクロン」と組み合わせる事で即座に「サイバース・クアンタム・ドラゴン」のシンクロ召喚ができるなど、リンクの枠に囚われない幅広い活躍ができます。

 

後に役割がほぼ同じモンスターである「サイバース・コンバーター」が登場しますが、その比較はそちらが登場する記事にて説明したいと思います。
皆さまもお楽しみ(?)に~!

 

 

・スタック・リバイバー

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初登場:同上

サイバース族初の「デュエル中に1度しか使用できない」効果を持つモンスターです。

自身をリンク2以上のモンスターのリンク召喚に巻き込むだけで、残った片割れを蘇生してより高リンクのリンク召喚に繋げる事ができます。
レベル2であるため「サイバース・ガジェット」の蘇生効果にも対応しており、蘇生したこのカードと共にリンク2モンスターを呼び出すだけでフィールドのモンスターが3体に増殖して一気にリンク4まで行くことも…!

ただし、「レベル4以下」かつ「守備表示で特殊召喚」と、これでもかとリンクモンスターを拒絶したテキストですのでご注意ください。
また前述の通りデュエル中に1度しか使用できないため、使いどころには十分を気を付けてましょう(せっかく並べたモンスターたちが流されては元も子もありませんからね…)。

 

 

・ランチャー・コマンダー

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初登場:同上

その名前の通り、「コマンダー」(司令官)として現場の士気を高めるステータスアップの効果と、「ランチャー」の如く自分のモンスターを相手めがけて発射して撃破するという「カタパルト・タートル」(原作版)のような効果を持ちます。

しかし、ステータスアップはわずか300と心許なく、自身には適用されないため、フィールドに維持したいのに真っ先に狙われてしまう宿命を背負っています。
除去効果に関しても、通常はそのままリリース予定のモンスターと共にリンク素材になった方が効率が良く、どうにも割に合わない感が拭いきれません…。

幸い自身もコストにできるので、いざという時は「召喚権を犠牲にした除去要員」としてある程度割り切った使い方も致し方なし、といったところでしょうか…。

 

 

・サルベージェント・ドライバー

 f:id:hanmer430:20200906192435j:plain

初登場:同上

昨今では「自分のターンも関わらず、相手が容赦なく自分のモンスターを破壊してくる」、なんて経験をしている決闘者も多いのではないでしょうか?
そんな時には、このカードが手札または墓地(理想は後者)にいれば、その破壊をトリガーに特殊召喚でき、その時に破壊されたモンスターを②の効果で蘇生できるため一瞬にして立て直すことができます!なんて便利なモンスターでしょうか!

ただ、同じような蘇生効果を持つ「RAMクラウダー」と比べてしまうとどうしても速攻性に欠けると言わざるを得ず、前述のような破壊効果への保険としての役割を求めない限りはあちらで十分でしょう。

 

なお、上の画像のテキストは初出時のものであり、このままでは「戦闘破壊にも対応してるじゃん!」という某バブーンを彷彿とさせる状況になりがちです。

現在ではエラッタされ、「相手の効果で破壊された場合」と明記されていますのでご安心(?)ください。

 

 

ファイアウォール・ドラゴン

 

f:id:hanmer430:20200906192459j:plain 初登場:同上

藤木遊作/Playmakerの切り札である、皆さんご存じ「鉄壁の守護竜」!
満を持して登場です!
その圧倒的な姿と力に、ある者は狂喜乱舞し、ある者は怒り狂い、またある者は深いトラウマを植え付けられた、最恐のリンクモンスターです。

①のバウンス効果は「フィールドに存在する限り1度だけ」という制約こそあるものの、同名カードの発動回数の制限を持たないため、このカードを2体以上並べては(相手を巻き込みつつ)お互いにバウンスし合ってはまた呼び出される、という「まさに無限ループ!」状態で相手フィールドを野ざらしにできてしまいます(冗談のようで本当の話)。
幸か不幸かおよそ1年後に「制限カード」に指定(リンクモンスターとしては初の快挙)され、上記の心配も少なくなりましたが、本当の地獄はここからでした…。

②の効果の条件が「戦闘破壊」か「フィールドからの墓地送り」、つまるところあらゆる手段でフィールドから墓地へ送られた場合に発動でき、効果破壊やリリースはもちろん、各種素材となった場合も問題なく発動されます。
そしてこの効果も①同様同名カードの発動回数の制限を持たないため、半永久的に素材を確保して強固な盤面(はてはエクストラリンク)を形成したり、射出系カードと組み合わせたワンターンキルを狙ったりと、某黒羽使いが見たら憤死する勢いのインチキっぷりでした。

ただしあくまで手札からの特殊召喚のため弾数が切れれば怖くない…と思われがちですが、それは使用している側が一番分かっていることなので弱点にはほぼならないのが事実です。
墓地へ送られた場合に自分自身や別のモンスターをデッキや墓地から手札に加えるモンスターあった場合、チェーン処理次第で引っ張ってきたモンスターをそのまま並べてくる、なんて光景は皆さまも一度は見たことがあるでしょう…。

何よりこれだけの性能を持ちながら、召喚条件は「モンスター2体以上」と、サイバース族はおろか全リンク4モンスターで唯一素材の指定が一切なく、「スケープ・ゴート」1枚から下準備なしで出せる驚異の汎用性も強さに拍車をかけています(むしろこういうことがあったからこそ、これ以降のリンク4モンスターは皆何らかの素材指定がついた、と考えられなくもないですが…)。

 

当然ながらそんなカードが許されるはずもなく、およそ2年後の2019年1月を以て「禁止カード」に指定され、今なお服役中です(そこに至るまでに数多くの尊い犠牲もありましたがそれはまた別のお話)
尚もこのカードを最恐たらしめるのはやはり、その「あまりに緩すぎる召喚条件」と「発動回数制限の付け忘れ」にあるため、これらのいずれか(あるいは両方)をエラッタした上での制限復帰、および再録を望む者も多いのも事実です。

 

いつかまた、みんなで「テンペストアタック!!」できることを信じて…!

 

 

・トポロジック・ボマー・ドラゴン

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初登場:同上

ハッカー集団「ハノイの騎士」のリーダー・リボルバーが使用する初代良き力大型サイバース族リンクモンスター。

①の効果によってリンクモンスター最大の特徴を潰しにかかるという、「毒を以て毒を制す」の言葉にふさわしい効果を持っています。
この効果の真に恐ろしいところは、自身以外のリンクマーカーも効果発動のトリガーにされてしまうという点です。
現在のルールではリンクマーカーに頼ることなく大型モンスターを並べることが容易になったためあまり問題はありませんが、リンク頼みだった当時では恐るべき拘束力を発揮していました(リンクモンスター主体のデッキにとっては現在でも天敵ですが)。
相手を待たずともこちらからモンスターをこのカードのリンク先に特殊召喚する事で相手の妨害ができるため非常に鬱陶しいです(唐突な暴言)。

②の通称「直火焼き」効果も、これまでの類似効果とは異なり「ダメージ計算後」に発動されます。
そのためこのカードの戦闘破壊が確定した状態でも相手にダメージを与えられる事ができるため、最後の詰めにも役に立ちます。
これによって勝利が左右することも十分にあり得るため覚えておきましょう。

 

完全に余談ですが、このカードの①の強制効果を逆手に取ったワンターンキルコンボも開発されています(詳しくは「アマリリスループ」で検索!なお該当カードは現在禁止指定を受けているため再現付不可)。
ファイアウォール・ドラゴン」といい、ある意味「リンク4最恐伝説」の幕開けとも言えるでしょう。

 

 

・星杯剣士アウラ

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初登場:同上

各期恒例の「OCGストーリ」枠の系譜である「星遺物」に関係するテーマ・「星杯」に属するリンクモンスター。
世界観につきましては申し訳ありませんがこちらでは割愛させていただきます。興味のある方は好評発売中の「MASTER GUIDE 6」をぜひ買ってくださいね!(姑息なダイマ)

 

①の自己強化は墓地の「星遺物」モンスターに比例しますが、「星遺物」同士のシナジーは特段強いわけではなく、「星杯」デッキでは活かせる機会は少ないかと思われます。
ただ全くないわけではないのでデッキにあった「星遺物」を吟味できれば思わぬ活躍も見込めます。

②の蘇生効果は、同じサイバース族で言えば「RAMクラウダー」に近く、使用例などもあちらとほぼほぼ共通するためご参照いただければと思います。
もちろんリンクモンスターも蘇生できるため、リンクモンスターを素材に指定する「星杯戦士ニンギルス」のリンク召喚の準備もすぐに整います。
ただしリリースコストに「星杯」モンスターを要求している(リンク先を参照する関係上このカードはリリースできない)ため、主に「星杯」モンスターの展開の補助に使用されることになります。

③は「星杯」リンクモンスター全てが共通して持っている効果で、リンク素材になった場合でも問題なく使用できます。
そのため、「リンク召喚されたモンスター」+「この効果で特殊召喚されあモンスター」で更なるリンク召喚につなげられるという、OCG初のリンク召喚を主軸にしたテーマにふさわしい効果となっています。

 

 

・プロキシー・ドラゴン

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初登場:Vジャンプ 2017年6月号(2017/4/21)

手足が無くなってる以外はまるで小型化した「ファイアウォール・ドラゴン」とも言うべき容姿をした、リンクモンスター初の素材指定のないリンク2モンスター。

そのため活用方法は幅広く、単純なリンクマーカーの拡張はもちろんのこと、通常モンスターやトークンを効果モンスターに変換する事で後続の素材の縛りをクリアしたりできます。
主にリンク黎明期の頃に「スケープ・ゴート」を発動した次の自分ターンに「スパイダープロキシースパイダー」 の呪文を唱えながら上述の「トポロジック・ボマー・ドラゴン」や後に登場する「ヴァレルロード・ドラゴン」等を呼び出した方も多いのではないでしょうか。

 

こうした使い方のため自身の効果はオマケ扱いされがちですが、どうしても守りたいカードがある場合や、逆に任意のモンスターを破壊で黄うことを逆手に取る事で魔法・罠除去効果を前述の「サルベージェント・ドライバー」や「機皇帝」シリーズの特殊召喚のトリガーに疑似的に変換する等、いざという時に役に立つことも無きにしも非ずですので覚えておくと損はないかも?

 

 

・リンク・ディサイプル

 

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初登場:Vジャンプ 2017年7月号(2017/5/20)

特定のテーマに属さないモンスターの中では貴重なリンク1モンスター。

 

正直な話、ボード・アドバンテージを失ってまでドローしたいという機会はそうそうなく、考えなしに発動しても結果的には損をしてしまうため注意が必要です。

 

このカードの真価は「レベル4以下のサイバース族モンスター1体」という、現存するサイバース族リンク1モンスターの中でも屈指の素材指定の緩さであり、かつリンクマーカーの向きも「真下」とこれ以上なく便利で、「困った時のディサイプル」とまで言われています(主観)。
登場当初からも「サイバース・ガジェット」の②の効果を能動的に使用できるなどの有用性を見せていましたが、現在でも「パラレルエクシード」の特殊召喚効果のトリガーにできたり、ペア使用推奨ともいうべき「リンク・ディヴォ―ティー」が登場したりと、その有用性は徐々に上がってきています。

 

ライバルに同じ召喚条件・リンクマーカーの向きを持つ「転生炎獣ベイルリンクス」が存在しますが、あちらの効果の使用が目的でなければ好みで使い分けてもよいでしょう。
むしろ「アクセスコード・トーカー」の効果を最大限生かすためにも属性の異なるこれらを同時採用する、なんていうのもアリだと思います。

 

 

本日はここまでです。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。改めて見るとすごいカードでしたねホントに…

エラッタ再録、いつまでも待っています!

 

次回、第2の「コード・トーカー」登場!?

 

それでは、次回もぜひご来場くだサイバース!

サイバース歴史資料館、開館

本記事をご覧の皆様。

 

この度は「サイバース歴史資料館」へお越しいただきありがとうございます。
館長(?)のハンメルと申します。

 

本館(ブログ)では、遊戯王OCGにおける25番目の種族である「サイバース族」について、これまでに登場したモンスター達を、独断と偏見を交えながら紹介していければと思っています。

 

半ば自己満(直球)みたいなところもありますが、「サイバースってなんぞや??」「サイバースが気になる!」「消え去れサイバース!!」な方々にとって少しでもお役に立てるように努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします!!

 

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